<検証編-1> 剛性とポジション対応性

肝心なのは性能

完成したコックピット。

見た目はとても気に入りました。しかし肝心の性能はどうでしょうか?

そこで剛性とポジション対応性という二つの観点から、各部をチェックしてみました。

 

ステアリング

取り付けのガタは全くありません。

ハンコン操作でモニター画面が揺れることもありません。

強いて言えば、ステアリングの上下方向に意地悪なほど力をぐっと加えるとごくわずかにしなりが生じます。注意深く観察すると、ハンコンのフィッティングプレートのしなりによるもののようです。

 

とはいえ、実際の使用ではありえない方向の力を加えてようやく感じられるものですから、現状でもハンドルの操作感には全く影響がありません。

 

ポジション対応性については、ステアリングに仰角がついているハンコンなので、そのまま平らに置いた状態で角度は最適でした。

前後位置については垂直フレームをずらすだけなので、数十秒もあれば調整できますし、それでいてプレイ中に位置が勝手にずれることはありません。

上下位置はハンコンフレームの4つのクランプをリリースしてやれば任意の位置に簡単に変更できます。

 

(Tips: ハンコンフレームのクランプをリリースする際には、左右の垂直フレームに調整用クランプを取り付けて位置決め兼落下防止のストッパーとして使用します。そうすることで安全かつ正確に上下調整ができます)

 

モニター

38.5インチ、11kgの大きくて重いモニターですが、手で垂直フレームを揺らそうとしてもどっしりと動かないほど剛性が高いので、ゲームのプレイ中にモニターの揺れを感じることは全くありません。VESAマウント部分もガッチリ固定されています。

 

モニターのポジションはハンコンとの前後関係が確定しているので、上下方向のみの調整でOKです。その際には先にモニターを外しておく必要がありますが、モニターもワンタッチ式で取り付けられているので作業は簡単です。

 

ペダル

操作時の揺れやガタツキは一切ありません。

フルブレーキの強い力で踏んでもたわむ様子もないので剛性は問題なし。

 

ポジションはペダルが全体の位置関係の基準点なので、前後位置と高さについては変更の必要がありません。角度に関してはペダル面を少し立てるベストな角度に合わせてペダルフレームを製作しています。

もし角度を変更する場合は、ペダルユニットを持ち上げるだけで外せるので、調整のための追加工が容易に行なえます。また、ペダル取り付けボルトは使用に伴って徐々に緩んでくるものですが、増し締めも簡単です。

現時点ではクラッチなしで、左足ブレーキングのポジションです。

いずれHパターンのシフターを購入したら、クラッチペダルも加えて3ペダルにしようと思います。

シート

<乗降時とプレイ時のシート位置の違い>

スライド量をフルに生かしているので乗降がしやすいです。

プレイ時の状態だと随分コンパクトな印象になります。

 

使わないときはシートを前に倒せばさらに省スペースです。ただ、シートが起きていても十分コンパクトなのでそこまでする必要は感じません。

 

タツキや揺れ、きしみ音は全くなく、シートに座って体を動かしても揺れの影響が他に及ばないことからも、「直置き分割フレーム方式」のメリットが十分に体感できます。

 

ポジションは仮フレームの時点でやや前上がりの角度が最適だったので、その寸法で正式なシートフレームを製作しています。

シートのポジションを再調整する場合、シートを連結しているトグルクランプをリリースすればスポッとシートユニットが取り出せるので作業性が良好です。

シートレールはシートを最も前に出したところからワンノッチ戻しのポイントがベストポジションになるようにしています。

そうすることで、シートレールの移動幅をフルに使うことができ、コックピットの乗降がとても行いやすくなります。しかも毎回シートを前後させても、ワンノッチ戻しでベストが出るので簡単です。

 

コックピットの乗降が窮屈だと、プレイを中断してちょっとした用事でシートから離れるのがとても面倒に感じてしまうので、シートレールの設定は大正解でした。

また、シートレールが後ろ下がりの角度なので、降りる時にはシートレールのレバーを引くだけで体重によって自動的にシートが下がってくれます。

これはポジション調整の結果たまたまそうなっただけなのですが、降りやすくてとても具合が良いです。

 

移動

直置き式ですから、キャスターは付いていません。

キャスターを使うと、車輪をロックしていても乗降時にコックピット全体が揺れたりすることがありますが、そういうグラつきも一切ありません。

しかし、水平フレームと垂直フレームには家具すべり材が貼ってあるので、ハンコンやシート・ペダルが付いた状態でも、水平フレームのみの移動・垂直フレームのみの移動・コックピット全体の移動 と、いずれの移動も簡単に行なえます。

 

 

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やっと念願が叶い、時間があればサーキットの世界に没入していますが、コックピットの剛性感もポジションも満足の一言で、もう「楽しい!」の一言です。(^^)

 

「直置き独立ユニット方式」のアイデアが狙い通りの結果となり、木製でもコックピットとしての性能は市販の上級モデルと同等で、なおかつポジション調整やメンテナンス性はそれを上回るものとなったので、この結果にはとても満足しています。

 

さらにしばらく使ってみてから、改めて同様の検証を行いたいと思います。