速くなるほどブレーキの出番が減ってくる不思議
この修行を始めた頃は、コーナーの手前からコーナーの頂点付近までブレーキを使っていました。そうしないとコーナーを飛び出してしまうからです。
ところが、最近はブレーキの出番が随分減ってきたなと気付くようになりました。
特にコーナー手前ではギューッとフルブレーキすることがなくなり、せいぜいグイグイと短く済ませる程度がほとんどです。
それ以外だと速度の微調整でチョン掛けしたり、切り返しの時の荷重変動を抑えるためにスッと薄く使うなど、短時間の使い方になってきています。
ブレーキの無駄遣いが減ってきた
「気付かないうちにどうしてこんなにブレーキを使わなくなってきたのだろう?」と思ってこれまでの練習を振り返ってみると、その一番のきっかけはブレーキがタイヤのコーナリング性能の邪魔をすると気づき、コーナリング中にブレーキを使わない走りを心がけるようになったからでしょう。
つまり
「コーナリング中のブレーキ引きずりでタイヤのコーナリング性能が下がった分だけ、限界速度が低くなる。その分だけコーナー進入時の減速量も増えてしまう。」
ということで、わざわざコーナリングを遅くするためにブレーキを使い、その速度に合わせるために侵入時もブレーキを使うという、ブレーキの無駄遣い状態だったわけです。
この状態でも、強めにハンドルを切ればリアスライドのターンが使えるので、ブレーを引きずっていた頃はこの曲がり方を重宝しました。
ただしそれは小回りのターンでしか通用しないもので、それ以外のターンをより速く走るためには、タイヤのコーナリング性能を最大に引き出すには、ブレーキの無駄遣いを減らすことが最大のテーマになったわけです。
しっかり曲がるほど、しっかり減速している
ブレーキの無駄遣いが減ってくると、コーナリング速度が高くなり結果としてゴールタイムもどんどん短縮してきました。
修行を始めた頃の感覚からすれば、とんでもない速度域で走っているのですが、ブレーキの出番はずいぶん少なくなりました。
確かにブレーキの無駄遣いを減らしたのですから、出番は減ってくるわけですが、ストレート区間や大小のコーナーが組み合わさっている状態でも本当に少なくなってきたなと感じますし、それどころか、もっとコーナー進入速度を上げられるのに、加速が間に合わないと感じる箇所が多いほどです。
なぜそうなってくるのか?といろいろ調べてみて分かったのは、タイヤは曲がる際に減速を伴うという現象があるからで、大ざっぱに言えば、コーナリングフォースが大きいほど減速も大きいからだと理解しました。
確かに感覚的にも、速く走れていてコーナリングフォースが強く生じている時ほどコーナリングで速度が落ちるのを実感しています。
これはコースの特徴とも関係しているので、ワインディングメインのコースでは特に感じやすいのでしょう。
徐々にコーナリングの減速が感じられるようになるにつれて、パーシャルからジワーと加速できるようになってきますが、これはかなり感覚的な世界のテクニックで、頭で分かっていてもまだまだ難しいです。
ハンドル減速が有効な場面もある
コーナリングの減速を積極的に使うとタイムアップできる場面があります。
それはオフキャンバーなどで前輪荷重が抜けやすいコーナーです。(下図の青い路面が荷重の抜けやすい範囲)
青い点線を辿るイメージで進入すると、実際は緑ラインとなってアウトに貼り付いてしまうので、アクセルを開けられなくなってしまう状況です。
そこで、下図のようにLV22の時に取り上げた難しいラインの対処法を応用します。
具体的には、アンダーな路面になる手前のエリアにさしかかったら、赤矢印のラインを辿るつもりで思い切りガバっとハンドルを切るのです。(ブレーキは曲がるきっかけ程度にしか使いません)
そうすれば車体が減速しながら一気に向きが変わり、アンダーな路面を容易に通過できるようになります。
※この場合はタイヤのスライドによる減速も含まれていますが、広い意味では曲がることによる減速と見なせます。
鋭角なヘアピンコーナーなどではサイドブレーキの出番ですが、ある程度の勢いを維持しながら通過したいコーナーではハンドルによる減速曲がりが有効で、例えば今回の修行コースではワインディング区間終盤にある短い直線からの深いオフキャンバーターン2箇所ほどで特に効果が感じられたので、これによって3秒程度のタイム短縮メリットがあるのではないかと感じています。
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これまでの走りに反映していることなので、6分58秒前半のベストタイムに織り込み済みです。
<今回の成果>
・ハンドルによる減速曲がりを覚えた。