<脱初級のラリゲー修行:LV27> 今回の修行を振り返って

3ヶ月に及ぶ修行の末に

「遅すぎるかオーバースピードか」の二つしかなかった私が「クルマの操作と挙動を理解する」という目的のために3ヶ月間取り組んだ内容は、同一コースで集中してタイムアタックを繰り返すというものでした。

 

11kmあるコースの全てのコーナーを覚え、何度も試行錯誤を重ねてきた結果、かなりの手応えが得られたと感じています。

 

もちろん初心者が自己流で取り組めば、どうしても間違いや理解不足も含まれてしまいますが、それでもとにかく直面する課題を取り上げ、自分なりの仮説を試して手応えを積み重ねることは、とても興味深い実験でした。

例えば小脳の上達理論では、タイムが頭打ちの状態になった時に思い切って走り方を変える技術改造を2回行いましたが、一時的に大きくタイムが落ち込んでもブレることなく信じた練習を繰り返し、そこからベスト更新に繋げられたことが今後の大きな自信に繋がりました。

   

 

私が車の操作と挙動について経験したことはごく限られたものに過ぎませんが、少なくともラリゲー修行の第一ステップとしての目標は達成できたかなと考えています。(^^)

 

今回のコースを振り返って

今回のコースは11kmあるので、走破に7分程度かかりますが、舗装林道ならではの狭く曲がりくねったコースで最後まで集中力を保つのが大変でした。

・スタート直後の緩く曲がったストレート区間を全開加速で抜け抜けるスリル

・目まぐるしく曲がりくねる長いワインディング

・ところどころにある荷重が抜けるコーナーのワナ

特に山を下りきってからの終盤は、高速ターンやダッシュと直角ターンの組み合わせなど激しい走りのクライマックスで、あと少しでベスト更新!という寸前で何度自爆したことでしょう。w

 

熊野神社や花びらの散る桜の木々は、修行コースのロケーションとして深く思い出に刻まれました。(^^)

 

タイムアタックとしての成果

修行終了時点のベストタイムは6分52秒122、投稿時点で2002人中10位でした。

修行開始時は8分を大幅に超えていましたから、なんだか不思議な気分です。

 

 

ベストタイム時の動画です。

www.youtube.com

修行時は、一本走る度に動画で自分の走りを見直すことで、いろいろな気付きを得ることができました。

 

まだまだ探求すべきテーマが残っている

修行では当面する課題に全力投球するような方式で一つ一つクリアーしていきましたが、最終的にクリアーできていない課題は何だろう?と考えてみると、それはタイヤのグリップ感覚とセッティング力だと思います。

      

同じコース、同じコンディション、同じクルマとタイヤで繰り返し走りタイヤのグリップ限界はある程度掴めてきたものの、例えば常にタイヤ性能の90%を維持しながら走り続けるというようなコントロール感覚はありません。

タイヤと路面が接する部分の面積はハガキ一枚分と言われたりしますから、そのような僅かな接触面の状態を自分の手の平のように感じられたら、どれほど走りやすいだろうと思うのですが、3ヶ月の練習でそれが判ってしまうほど甘くはないですね。

ただ、今回の修行でタイヤのトレッド面がどういう仕事をしているかについてはかなり深掘りできたので、「グリップ感覚とはどういうものか?」というテーマに取り組む入り口付近までは辿り着けたのではないかと考えています。

グリップ感覚が鋭くなれば、荷重感覚とタイヤ摩耗、路面の状態などの感受性も高まるはずですし、セッティング力も身に付くはずです。

そういった感覚を磨くことができるアイデアがあればいつか新たな修行として取り組んでみたいものです。

 

これで今回の修行は一区切りつきましたが、ラリゲープレイヤーとしてはまだまだ初心者であることに変わりはありません。

取り組むべきことは山程ありますが、とりあえず今後は世界各地のコースで修行を重ねつつ、競技形式の練習にも参加して楽しんでいこうと思います。

 

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<脱初級のラリゲー修行:LV26> 勢いとフォースの法則性

目標地点へと勢いがフォーカスされる

速く走るには全力で加速して最高速を維持すれば良いだけの話ですが、実際のコースでは様々な要素がそれを難しくしています。

 

今回の修行で同じコースを繰り返し何度も走るうちに、加速も減速も、曲がることも全ては「勢い」という共通の要素が肝心だと気付くようになりました。

それは単なる速さではなく「重量をともなう速さ」というニュアンスを私は「勢い」という言葉でイメージしています。

 

重さがあるということは慣性の法則が作用し、重心と荷重と摩擦の関係が絡むことで加速や減速、曲がるといったドライバーの操作を複雑にしているわけです。

 

例えばスタートとゴールが単純な直線なら、ラリーカーを勢いよく走らせるのは簡単にできてしまいます。



下図の場合だとBとCのポイントで勢いの方向を変える必要があります。

クルマはコーナリング中、常に正面方向へ進もうとする力が生じ続けているので、それに逆らって向きを変える角度が大きいほど、そして勢いが強いほど方向転換が難しくなります。

 

 

では、直線ではなく経路がぐにゃぐにゃと曲がっている場合はどうでしょう?

この場合はコーナーが連続していますが、クルマの向きがB方向からそれてもすぐにまたB方向へと戻る動きが左右交互に繰り返されます。

このリズミカルな切り返しが続く区間では、クルマの勢いがB方向寄りに働くパターンが繰り返されるので走りやすくて勢いが維持しやすい状態です。

 

 

下図の場合も勢いが維持しやすい区間が3つ含まれます。

ただし、BとCのポイントでは勢いの方向性に逆らって大きく向きを変える必要があります。そういった勢いの方向を大きく変えるコーナーを、ここでは「勢いの節目」と表現します。

上図の場合は、BとCが勢いの節目になるので、そこでは次の節目へと勢いの方向を切り替える意識で曲がれば、再び勢いが維持しやすい区間に集中できるわけです。

実際のコースでも、このように節目を区間が結ぶイメージで捉えられるようになると、走りを組み立てやすくなりました。

 

 

フォースとうんていの関係

「うんてい」という遊具を体験した方は分かると思うのですが、上手に渡っていくにはコツというものがあります。

それは前方のバーを掴んだ直後に後方の手を離すタイミングが肝心で、タイミングが良ければ前方の手を中心に全身が大きな振り子のように前方へ振り出され、より前方のバーがキャッチできます。この全身の振り子運動を途切れなくスムーズに繰り返すことでうんていを素早く渡り切ることができます。

 

同様に、クルマもこの振り子運動のイメージでコーナリングすると 勢いを保ちながらその先のコーナーへ次々と繋いでいくことができます。

 

それぞれのコーナーでは、ターン半径の中心からピンと張り詰めたロープで引っ張られながらきれいな円弧を描くイメージでコーナリングフォースを維持します

実際のコースできれいな円を描くようなターンは難しいですが、前方のコースの状況に応じて臨機応変にフォースのセンターを見極めて適切なラインを描けるのが上級者なのだろうと私は想像しています。

 

特に曲がりくねった区間は節目だらけの状態で、勢いの維持がとても難しいですから、こういう区間ほどターンの半径と中心を的確にイメージし、勢いを途切れなく維持し続けるイメージが重要だと感じています。

※鋭いヘアピンカーブやシケインなどでは、通過時間を短くすること。つまり「勢いが落ち込む時間をできるだけ減らす」ということが重要になると考えます。

 

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<今回の成果>

コースを節目で区切るイメージを持つことで集中力が増し、高い速度を維持できるようになった分だけタイムが向上しました。

<脱初級のラリゲー修行:LV25> ハンドルはブレーキ

速くなるほどブレーキの出番が減ってくる不思議

この修行を始めた頃は、コーナーの手前からコーナーの頂点付近までブレーキを使っていました。そうしないとコーナーを飛び出してしまうからです。

ところが、最近はブレーキの出番が随分減ってきたなと気付くようになりました。

特にコーナー手前ではギューッとフルブレーキすることがなくなり、せいぜいグイグイと短く済ませる程度がほとんどです。

それ以外だと速度の微調整でチョン掛けしたり、切り返しの時の荷重変動を抑えるためにスッと薄く使うなど、短時間の使い方になってきています。

 

 

ブレーキの無駄遣いが減ってきた

「気付かないうちにどうしてこんなにブレーキを使わなくなってきたのだろう?」と思ってこれまでの練習を振り返ってみると、その一番のきっかけはブレーキがタイヤのコーナリング性能の邪魔をすると気づき、コーナリング中にブレーキを使わない走りを心がけるようになったからでしょう。

つまり

コーナリング中のブレーキ引きずりでタイヤのコーナリング性能が下がった分だけ、限界速度が低くなる。その分だけコーナー進入時の減速量も増えてしまう。」

ということで、わざわざコーナリングを遅くするためにブレーキを使い、その速度に合わせるために侵入時もブレーキを使うという、ブレーキの無駄遣い状態だったわけです。

この状態でも、強めにハンドルを切ればリアスライドのターンが使えるので、ブレーを引きずっていた頃はこの曲がり方を重宝しました。

ただしそれは小回りのターンでしか通用しないもので、それ以外のターンをより速く走るためには、タイヤのコーナリング性能を最大に引き出すには、ブレーキの無駄遣いを減らすことが最大のテーマになったわけです。

 

 

しっかり曲がるほど、しっかり減速している

ブレーキの無駄遣いが減ってくると、コーナリング速度が高くなり結果としてゴールタイムもどんどん短縮してきました。

修行を始めた頃の感覚からすれば、とんでもない速度域で走っているのですが、ブレーキの出番はずいぶん少なくなりました。

確かにブレーキの無駄遣いを減らしたのですから、出番は減ってくるわけですが、ストレート区間や大小のコーナーが組み合わさっている状態でも本当に少なくなってきたなと感じますし、それどころか、もっとコーナー進入速度を上げられるのに、加速が間に合わないと感じる箇所が多いほどです。

 

なぜそうなってくるのか?といろいろ調べてみて分かったのは、タイヤは曲がる際に減速を伴うという現象があるからで、大ざっぱに言えば、コーナリングフォースが大きいほど減速も大きいからだと理解しました。

確かに感覚的にも、速く走れていてコーナリングフォースが強く生じている時ほどコーナリングで速度が落ちるのを実感しています。

これはコースの特徴とも関係しているので、ワインディングメインのコースでは特に感じやすいのでしょう。

徐々にコーナリングの減速が感じられるようになるにつれて、パーシャルからジワーと加速できるようになってきますが、これはかなり感覚的な世界のテクニックで、頭で分かっていてもまだまだ難しいです。

 

ハンドル減速が有効な場面もある

コーナリングの減速を積極的に使うとタイムアップできる場面があります。

それはオフキャンバーなどで前輪荷重が抜けやすいコーナーです。(下図の青い路面が荷重の抜けやすい範囲)

青い点線を辿るイメージで進入すると、実際は緑ラインとなってアウトに貼り付いてしまうので、アクセルを開けられなくなってしまう状況です。

 

 

そこで、下図のようにLV22の時に取り上げた難しいラインの対処法を応用します。

具体的には、アンダーな路面になる手前のエリアにさしかかったら、赤矢印のラインを辿るつもりで思い切りガバっとハンドルを切るのです。(ブレーキは曲がるきっかけ程度にしか使いません)

そうすれば車体が減速しながら一気に向きが変わり、アンダーな路面を容易に通過できるようになります。

※この場合はタイヤのスライドによる減速も含まれていますが、広い意味では曲がることによる減速と見なせます。

 

鋭角なヘアピンコーナーなどではサイドブレーキの出番ですが、ある程度の勢いを維持しながら通過したいコーナーではハンドルによる減速曲がりが有効で、例えば今回の修行コースではワインディング区間終盤にある短い直線からの深いオフキャンバーターン2箇所ほどで特に効果が感じられたので、これによって3秒程度のタイム短縮メリットがあるのではないかと感じています。

 

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これまでの走りに反映していることなので、6分58秒前半のベストタイムに織り込み済みです。

<今回の成果>

・ハンドルによる減速曲がりを覚えた。

<脱初級のラリゲー修行:LV24> アクセルはハンドル

立ち上がりでマシンがはらんでいく時の方向修正

パーシャルを使ってコーナリング速度が高まると、ターン後半にオーバースピード気味になりクルマがはらんでいくことが増えました。

せっかく曲がり切る寸前まで来ているのですから、最小限の減速でなんとかクルマのライン修正ができないものか?というのが課題として浮かび上がってきました。

 

練習で試行錯誤したところ、アクセルワークで対処可能になることに気付きました。

 
アクセルで曲がるという発想

具体的には、グリップ限界でクルマがはらみそうだと思った時、パーシャルのアクセルを小刻みにパタパタと煽るのです。(※アクセルだけで間に合わない場合はブレーキチョン掛けもあり)

アクセルを煽るとやや減速しつつ前後荷重や駆動力の変化が起こるので、一時的にオーバーステアが強まるようです。

 

ただしタイヤ一本分ほどのライン変更に近い感じですから、過信は禁物です。

タイミングが早ければタイヤ一本分でもライン修正の効果は大きいのですが、タイミングが遅れると間に合わないので、今の段階では走り慣れた得意なコーナー限定のテクニックだと思います。

 

まだまだできたりできなかったりの状態で時間がかかっていますが、徐々に手応えを感じつつあります。

 

このテクニックが身に付くと、

ギリギリ目いっぱいの速度でターンすることへのためらいが減って心理的に走りやすくなるのも大きなメリットだと思いました。

 

また、ターン後半の曲がり具合が調整できる手段だと考えれば、オーバースピード時に限らず、どのコーナーでもコーナリングスキルのレベルアップに役立つ可能性を感じています。

 

ただし、このテクニックはコントロール性が肝心で足回りのセッティングも重要になってくるはずなので、それも視野に入れて取り組んでいきたいと思います。

 

 

 

 

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ベストに近いタイムは出ましたが、6分57秒後半のままです。

<今回の成果>

・アクセルワークによるライン修正を意識するようになりました。

<脱初級のラリゲー修行:LV23> パーシャルの重要性に気付く

たかがエンブレ

私が以前このような図を示しましたが、そこにはエンジンブレーキ(以下:エンブレ)の要素が含まれていませんでした。

なぜならエンブレは「減速時にちょっと役立つもの」程度の認識だったからです。

 

そこでエンブレをイメージ図に加えて表現すると以下のようになります。

されどエンブレ

私がブレーキを引きずらないコーナリングに取り組むようになって7分の壁を突破し、よりコーナリングフォースを引き出すべく練習に取り組んでいると、高めのギアを使った時に区間ベストが出ることがありました。

体感的にも高めのギアのほうが速度が乗っているようで、「ひょっとするとこれはエンブレの関係なのかな?」と気づいたのでした。

 

それまでエンブレを意識していなかった私は、コーナリングフォースを最大にするためにアクセルとブレーキのどちらも戻していたのですが、それはエンブレを効かせた状態だったという訳です。

つまり影響は弱いながらもブレーキをひきずってコーナリングしているのと同じ状態だったわけですから、低めのギアでエンブレのデメリットが出やすかったのでしょう。

 

だとすれば、下図のように、アクセルをパーシャルにすれば、その分だけタイヤのグリップをより多くコーナリングフォースに変換できることになります。

パーシャルは究極のスロットルワーク

しかし、パーシャルというアクセルワークは、手応えが感じにくく、限界ギリギリのコーナリングでそれを行うのはとても難しいです。

そもそもエンブレが感じ取れないのですから、それを打ち消すアクセルワークはどうすればよいのでしょうか?

そんなことを考えながらコーナリングしてると、かえってまともに曲がれなくなってしまうのです、、、

 

それならやらないほうがマシということになってしまいますが、どうやらパーシャルはコーナリング中のアクセルワークの常識らしいと知ったので、(^_^;)、パーシャルをマスターするために以下の点を心がけることにしました。

パーシャル区間では「ちょっとだけ」アクセルを踏んだ状態をキープする。

 

こんなアバウトなやり方では完全にエンブレを打ち消すことはできませんが、それでもアクセル全戻しよりはマシなはず。

これなら限界ギリギリのコーナリング中でも操作できそうですし、それを続けていればいずれは的確なパーシャルのスロットルワークが身に付く可能性が開けます。

 

それともう一つ、コーナリング中のスロットルワークがギクシャクすると低いギアの方が悪影響が出やすいので、ギアに迷うコーナーでは高めのギアを選択するようにしました。

 

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パーシャルと高めのギアを意識すると走りが乱れてしまいタイムがガタ落ちしましたが、コーナリング中のタイヤ接地面に掛かる力をイメージしながらしつこく繰り返しているうちに徐々にタイムが戻りはじめ、さらにベスト更新することができました。

6分58秒後半→6分57秒後半になりました。

<脱初級のラリゲー修行:LV22> 難しいラインの対処法を考える

ラインを意識するのが苦手

誰しもが耳にする「ライン取り」という言葉ですが、私の場合、正しいラインで走ろうと意識して「イン付きのタイミングを逃さないように」などと気を付けていても、なかなかうまく行かず凹んでしまいます。

一本の細い線から外れないように集中するというのは、曲がりくねった綱渡りをしているみたいなタイト感があって、そこを全力で走るイメージが私には浮かびにくいのです。

 

 

ゾーンは全力のイメージとマッチしやすい

そんな私にとって、ラインよりも走りをイメージしやすく感じたのは、目印と目印を直線で結ぶ「走りの組み立て方」や、面で捉える「ゾーン」というイメージでした。

これだと、クルマの勢いを前へ繋いでいくことがイメージしやすいのです。

 

グリップの変化に対応していたら何かが変わった、、、

また、前回のテーマでは地形変化とグリップの関係に取り組みましたが、それを意識して走行を繰り返していると、自分が新たな感覚を捉え始めていることに気が付きました。

それは、グリップが抜けやすいポイントをやり過ごす走り方は、難しいラインの走り方にも応用できるということです。

 

難しいラインにグリップの感覚を応用する

難しいラインとは、いわゆる複合コーナーです。

修行の場であるFORUM8 RALLY JAPANのOninotaira SSにも、複合コーナーが多数あります。

 

例えばスタート後の小刻みなワインディングが続く中で登場するこの右コーナーで、枯れ木トラップに乗り上げてしまう方が多いと思います。

ここは左→右と速度が乗って気持ちよく切り返すことができるS字コーナーですが、そのS字の最後のブラインド部分がはぼ直角に曲がり込んでいるのです。

「あっ!」と思っても曲がりきれず、この枯れ木トラップに突っ込んでしまうことのなんと多かったことか、、、

 

 

そこで、「コースアウトしやすいということは、そこに水たまりがあるようなものだ」とイメージしてみました。

 



 

水たまりがあって飛び出してしまうのであれば、例の「やり過ごす走り方」の応用で、水たまりをやり過ごすイメージで走ればよいことになります。

 

 

★は立ち上がり加速開始ポイント

水たまりの手前のオレンジ色ポイント付近で減速して無難にやり過ごせば、とりあえずこの難所はクリアーできます。シケインの走り方みたいな感じですね。

ただし★印から加速が始まるのでタイムは稼げません。

 

 

 

そこで、もっと直線的なラインが可能になる赤のポイントで曲がるようにしてみたら、シケインのような窮屈さが解消し、一気に通過速度が上がりました。

 

 

 

赤いポイントを「アウト側のクリッピングポイント」にして、そこで一気に曲がりこむようにすることで、高い速度を維持したままの通過が可能になったわけです。

 

このラインで走るには、S字の一個目をアウト・イン・インの深曲がりからアウト側クリップを狙い、そこからの壁ぎりぎりで激突を避けるかのような切り返しの反動を利用して二個目の右ターンを一気に曲がり込み→すかさずフル加速という短いタイミングの連続操作となります。

 

作用反作用の原理で生じる反動を最大に活かすには操作のリズムとタイミングが重要で、そのあたりのコツを掴むと、連続したコーナーをまとめてクリアする走りがイメージできるようになってくるのだろうなと感じました。

 

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このコーナーに限らず複合コーナーは、グリップの観点に置き換えてみれば問題が単純化して対処しやすくなることが分かり、複合コーナーに対する心理的なプレッシャーが軽くなってきました。

6分59秒後半→6分58秒後半になりました。

<脱初級のラリゲー修行:LV21> グリップの変化につまずく問題

タイヤのグリップを引き出すことに夢中なあまり

タイヤの接地面で発生する、クルマを曲げる力に相当するエネルギーを「コーナリングフォース」と呼ぶそうです。

それをターン初期からしっかり発生させる目的でターンテクニックの改造に取り組んでみたら大成功で、それに気を良くしてコーナリングフォースを引き出そうと夢中になりました。

減速曲がりをしていた時は、4速を回し切るような勢いで飛び込みそのまま180°近く回り込むようなターンはとても苦手だったのですが、今ではCフォースを振り絞るようにターンするのが楽しくて、50%位の確率で気持ちよくターンできるようになってきました。(^^)

 

 

ところが、慣れて速度が上がってくると、特定のコーナーでは途中でコーナリングフォースが抜けてしまい、コースアウトすることも増えてきました、、、

 

最初の頃は、「いい走りができるようになってきたのに、最近はいつもここでコースアウトするようになってきたなぁ?」と思っていました。

そんな失敗を繰り返していると、どうやら下り傾斜に変わる地点やゆるく盛り上がった地点などを高速で通過した際の荷重変動が原因だと気付きました。

走行中の地形によるタイヤ荷重の変動をイメージしたグラフ

 

緑が以前の走り方で、青が今の走り方をイメージしています。

以前はギリギリ滑らなかったポイントでも、走行ペースが上がるとピンク色のゾーンまで荷重が抜けた際にグリップが不足してしまうわけです。

 

対策としては、そういったポイントで速度を落とせば滑らなくなるものの、それでは本当の解決にはなりませんから、コーナリングフォースを活かすためにもなんとか減速せずに解決する方法はないものでしょうか?

 

それならばと次に思いついたのは、滑ると分かっている場所は速度を落とさずにやり過ごせば良いんじゃないかということです。

 

例えば真冬の早朝にランニングしていて凍結したカーブにさしかかったとき、そのまま走っていると足元をすくわれて転んでしまいます。

そこで凍った部分はまっすぐ一定の速度を保って慎重に進むようにすればあまり減速せずとも通過できる可能性があります。

その理屈をクルマの走行に当てはめてまっすぐやり過ごすイメージで通過してやれば、速度を落とさずに走り抜けることが可能なんじゃないかと考えました。

試してみると、滑りやすいポイントの前後のラインや操作を調節することでうまくやり過ごせる場面が増え、ついに6分台をマークしました。

 

コーナリングフォースは6分台で走るために不可欠な要素ですが、最大に引き出すことだけを考えていては自滅のエネルギーにもなってしまいます。

攻めと守りの判断が伴うことでコーナリングフォースが自在に使いこなせるようになるかどうかは、これからの修行次第ということでしょうね。

 

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地形によるグリップの変化に応じてCフォースの増減を調節したり、前後のラインや操作でやり過ごす感覚が得られました。

7分1秒→6分59秒後半になりました。