<脱初級のラリゲー修行:LV26> 勢いとフォースの法則性

目標地点へと勢いがフォーカスされる

速く走るには全力で加速して最高速を維持すれば良いだけの話ですが、実際のコースでは様々な要素がそれを難しくしています。

 

今回の修行で同じコースを繰り返し何度も走るうちに、加速も減速も、曲がることも全ては「勢い」という共通の要素が肝心だと気付くようになりました。

それは単なる速さではなく「重量をともなう速さ」というニュアンスを私は「勢い」という言葉でイメージしています。

 

重さがあるということは慣性の法則が作用し、重心と荷重と摩擦の関係が絡むことで加速や減速、曲がるといったドライバーの操作を複雑にしているわけです。

 

例えばスタートとゴールが単純な直線なら、ラリーカーを勢いよく走らせるのは簡単にできてしまいます。



下図の場合だとBとCのポイントで勢いの方向を変える必要があります。

クルマはコーナリング中、常に正面方向へ進もうとする力が生じ続けているので、それに逆らって向きを変える角度が大きいほど、そして勢いが強いほど方向転換が難しくなります。

 

 

では、直線ではなく経路がぐにゃぐにゃと曲がっている場合はどうでしょう?

この場合はコーナーが連続していますが、クルマの向きがB方向からそれてもすぐにまたB方向へと戻る動きが左右交互に繰り返されます。

このリズミカルな切り返しが続く区間では、クルマの勢いがB方向寄りに働くパターンが繰り返されるので走りやすくて勢いが維持しやすい状態です。

 

 

下図の場合も勢いが維持しやすい区間が3つ含まれます。

ただし、BとCのポイントでは勢いの方向性に逆らって大きく向きを変える必要があります。そういった勢いの方向を大きく変えるコーナーを、ここでは「勢いの節目」と表現します。

上図の場合は、BとCが勢いの節目になるので、そこでは次の節目へと勢いの方向を切り替える意識で曲がれば、再び勢いが維持しやすい区間に集中できるわけです。

実際のコースでも、このように節目を区間が結ぶイメージで捉えられるようになると、走りを組み立てやすくなりました。

 

 

フォースとうんていの関係

「うんてい」という遊具を体験した方は分かると思うのですが、上手に渡っていくにはコツというものがあります。

それは前方のバーを掴んだ直後に後方の手を離すタイミングが肝心で、タイミングが良ければ前方の手を中心に全身が大きな振り子のように前方へ振り出され、より前方のバーがキャッチできます。この全身の振り子運動を途切れなくスムーズに繰り返すことでうんていを素早く渡り切ることができます。

 

同様に、クルマもこの振り子運動のイメージでコーナリングすると 勢いを保ちながらその先のコーナーへ次々と繋いでいくことができます。

 

それぞれのコーナーでは、ターン半径の中心からピンと張り詰めたロープで引っ張られながらきれいな円弧を描くイメージでコーナリングフォースを維持します

実際のコースできれいな円を描くようなターンは難しいですが、前方のコースの状況に応じて臨機応変にフォースのセンターを見極めて適切なラインを描けるのが上級者なのだろうと私は想像しています。

 

特に曲がりくねった区間は節目だらけの状態で、勢いの維持がとても難しいですから、こういう区間ほどターンの半径と中心を的確にイメージし、勢いを途切れなく維持し続けるイメージが重要だと感じています。

※鋭いヘアピンカーブやシケインなどでは、通過時間を短くすること。つまり「勢いが落ち込む時間をできるだけ減らす」ということが重要になると考えます。

 

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<今回の成果>

コースを節目で区切るイメージを持つことで集中力が増し、高い速度を維持できるようになった分だけタイムが向上しました。